冬の夜空に咲く手作りの光
今日、冬に線香花火を作り続ける職人さんのニュースを見た。夏の風物詩を真冬に製造しているとは知らなかった。寒い工房で一つひとつ手作業で、という話に、どこか神聖な気持ちになった。私たちが何気なく楽しむものの裏側には、こうした人々の一年中の努力があるんだなと。線香花火と言えば、子どもの頃、夏祭りで姉と競って手を真っ黒にした記憶がよみがえる。最後まで「牡丹」が咲くと、妙に達成感があったっけ。あの儚い美しさは、やはり人の手から生まれるものなのだと、改めて思う。最近は何でも効率優先の世の中だけど、季節を逆行してまで伝統を守る姿勢に胸を打たれた。自分も仕事で面倒なことがあると省略したがるけど、あの職人さんのように、丁寧なことの価値を見失わないようにしたい。今年の夏は、ちょっと高級な線香花火を探して、久しぶに夜空ではなく、じっくりと手元の火花と向き合ってみよう。あの「しーん」とした瞬間を、大人になった今、味わい直すのもいいかもしれない。